コラム

~アドバンテッジEAPの目指すもの~

心の病、特に鬱病などに対する認識は、国によって大きく異なるようです。

EAPの発祥の地である米国では、鬱は『心の風邪』ととらえられ、誰でもなり得るものであるとの認識が一般的です。従って、辛い時にはカウンセリングを受けるという行動に対する抵抗も少なく、受け身型の窓口設置で充分に効果が期待できる傾向が有るように思われます。また、宗教的な背景もあり、自殺を罪と考えるなど不測の事態に関するある種の抑止要因もあると言われています。この両面に於いて、日本の状況は米国と大きく異なります。日本では、まだまだ鬱を始めとする『心の病』に対する偏見は強く、また死生観等の点でも、米国のような抑止要因は薄いと考えられます。このようなことから、より積極的に『心の病』を初期の段階で発見し、医療と密接に連携をとる事で自殺などの不測の事態を避けようとするといった活動に対する関心は、むしろ日本で高いようで、海外のEAPに関する同業者との意見交換を行なった場合、我々の取組みは彼らより進んだものとして評価されることも珍しくありません。

また、『心の病』の問題解決に占める企業の役割にも違いが有るように思われます。最近は色々な意味で欧米化が進んでいますが、それでもやはり一般的な日本人にとって、仕事や職場の占める重要性は極めて高く、『心の病』の背景に会社が関わっているというケースが多く見受けられます。また、前述であったように、日本ではより積極的に問題を発見しようとする取組みが求められるという点からも、職場や上司が果たす役割は米国などと比べても大きいと言えます。日本に於いては、企業の理解と積極的な関与が、より一層求められるのです。

実質的な効果が生み出すのが、我々のEAPの目指す所です。その為には、日本の社会的/文化的な特徴にあわせた『日本型のEAP』とでも言うべきサービスが必要であると私達は考えています。

【ARM 代表取締役社長:鳥越 慎二(とりごえしんじ)】
鳥越 慎二
東京大学経済学部経済学科卒業、経営管理専攻。ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA経営学修士号取得)。大学卒業後、外資系戦略コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーにて、保険・金融を始め様々な業界を対象としたコンサルティング業務に従事。1994年、株式会社アドバンテッジパートナーズ・パートナーに就任。同年、株式会社アドバンテッジインシュアランスサービスを設立、同社代表取締役社長に就任。長期障害所得補償保険(LTD)分野におけるリーダー企業に成長させる。1999年3月、株式会社アドバンテッジリスクマネジメントを設立、同社代表取締役社長に就任。主として全社戦略の立案、グループ各社・部門の管理を担当。
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