コラム

人事ご担当からよくある質問 No.1

Q:様子がおかしいと感じられる社員の対応はどうすればいいの?

A:「何か最近変だな」とは感じていても、「声をかけてみたほうがいいのだろうか。でも自分は心の病気に関する専門知識は全然ないし・・・」とつい二の足を踏んでしまうことはないでしょうか。

メンタルヘルスの問題を抱える社員に対して心配している気持ちを伝えることは大切なことですが、人によっては、そのような上司からの言葉がけに対して「悪い評価につながるのではないだろうか」などと考えて警戒することもあります。また、うつ症状によって自己評価が下がっているような場合は、「余計な心配をかけてしまって、自分は何てダメなんだろう」と考えて、かえって症状を悪化させてしまったり、負担を感じてしまうこともあります。

メンタルヘルスの問題が心配な社員に対しては、まず声をかけてみることが大切ですが、声をかけたときの本人の反応はどうだったか気をつけてみることで、直接聞き出さなくてもより多くの情報を得ることができます。「大丈夫です」といったときの本人の表情はどうだったか。笑顔でうれしそうにいったのか。表情が堅く警戒した様子なのか。表情がなくなっていたのか。また、何か話したい様子なのに、なかなか言葉が出てこない感じはなかったか。(うつ症状のひとつに思考力の低下があり、頭がうまく働かず言葉がうまく出てこないことがあります)

このように、声をかけるときは言葉だけでなく言葉以外の部分に注意を払うことがとても重要になります。そして、うつ病などの心配があるなら受診を勧めつつ、本人がこちらからの声がけに負担を感じているようであれば、無理強いせず「必要なときはいつでも話を聞くから」という気持ちを伝えておくことが大切です。

(参考文献 「企業のメンタルヘルス対策と労務管理」涌井美和子著 日本法令発行)

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